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結婚するあなたのための自動車保険 「等級引継ぎ」ケース別の知恵

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結婚を機に、新生活における車の保険をどうするかは、悩みどころです。独身時代に車を保有していた方も、今後新たに車の必要性を感じている方も、自動車保険を考えるにあたって保険の「等級」に着目して検討してみることをおすすめします。

保険の「等級」は、支払う保険料に大きく影響します。知っておくことでお得に車のある生活を送ることができる可能性があります。本記事では、3つの事例をもとに「等級」を意識した自動車保険の見直しを詳しく解説します。

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コラムサマリ

★この記事は約8分で読めます。

  • 無事故の家族の「等級」を引き継げば、保険料負担は抑えられる。
  • 家族で複数、車があるなら、自動車保険も1つにまとめることでも保険料負担を抑えられる。
  • 「夫婦で1台に」「新車購入」「親と同居」3つのケースで保険料負担の違いを考える。
本文

家族だからこその「等級」を上手に引き継ぎ、保険を見直そう

自動車保険の保険料は、車種や補償内容のほか、運転者自身の状況に応じたさまざまな割増引を適用して決められます。なかでも「等級」は、これまでの保険金請求歴などで変動し、保険料を決定する際の大きな要因となります。言い替えると、無事故という実績を積み上げることで、保険料負担を抑えることができるのです。

そして、この等級は要件を満たすことで、家族のものを引き継ぐことが可能です。免許を取得して運転経験の浅い人やはじめて自動車保険を契約する人でも、無事故の家族の等級を引継ぐことができるのです。うまく活用することで保険料負担を抑えることができます。

同居の家族なら等級の引き継ぎができる

自動車保険の等級を引き継ぐには、記名被保険者の名義が「配偶者」「同居親族」「配偶者の同居親族」への変更の場合に限定されるなどの条件があります。

自動車保険では、契約の車を主に運転する人を「記名被保険者」として設定しますが、親と同居している場合に親から子へ、今までの積みあげてきた等級を引き継ぐことや夫婦間でのどちらか高いほうの等級を引き継ぐことが可能です。結婚で自動車保険をまとめる際に、ぜひ確認しましょう。

結婚によって家族ができ、生活スタイルが変化することで、車との付き合い方も変わるかもしれません。住所変更などの手続きとともに、契約条件や補償内容を見直すことをおすすめします。

家族だからこその「等級の引継ぎ」はもちろん、「夫婦限定」「年齢条件」「セカンドカー割引」など、ほかにもある家族のさまざまな契約条件や割引について適用の可否を確認し、活用したいものです。

2台以上の所有なら同じ保険会社の「ミニフリート契約」で、自動車保険を1つにまとめる

新生活にあたっては、車もできれば1台に集約したいものですが、生活スタイルや用途によっては、複数台保有するケースもあります。この場合、それぞれが自動車保険を契約するよりも、保険契約も1つにまとめることで保険料を節約することができます。

「ミニフリート契約」は、2台目以降の車の契約に際して、記名被保険者が契約者本人もしくは配偶者など一定の範囲である場合に、台数に応じた割引を受けることができます。1つの自動車保険で1台目、2台目として契約するイメージです。

この方法は、まとめる契約の保険始期日にあわせて、もう一方の契約を途中解約する必要があるため、満期まで契約していた場合と比較すると保険料や等級で若干のデメリットもあります。満期まで無事故であれば等級が上がるところ、中途解約するため、等級が変化しなくなることもあるのです。ただし、長い目で見るとメリットは大きいと言えます。同じ保険会社での契約となるため、補償内容の重複を避けることもでき、満期管理なども把握しやすくなります。

自動車保険を解約するなら、中断証明書は確認しておく

せっかく積み上げた「等級」という実績を解約によりムダにするのはもったいないです。廃車や譲渡等で車を手放し自動車保険を解約する際、「中断証明書」を取得しておけば、解約(中断)から10年以内は7等級以上の等級を維持することが、一般的に可能です。

自動車保険の中断証明書は、解約や満期時から5年以内であれば発行可能となるケースが多いです。もし中断証明書を取得していない場合、次の自動車保険の契約時の等級は新規となる6等級からの再スタートとなってしまいます。自動車保険の取りまとめなどで契約を解約したとしても、再び自動車保険を契約する日がくるかもしれません。忘れずに、中断証明書の発行依頼をしておきましょう。

このように、結婚して家族となることで、等級を上手に活用しつつ、保険を整理することで、車のある生活をよりお得にすることが可能です。次の3つのケースを見ながら、実際の自動車保険のまとめ方について、考えてみましょう。

ケース1:夫婦で1台の車にまとめる場合

車の維持・保有にはなにかとお金がかかるものです。独身時代は、それぞれが車を保有していた場合でも、結婚後は1台でよいというケースも多くあります。車を1台にすることで、車検代や駐車場代、保険料などのコストを削減することも可能です。以下のケースで考えてみます。

夫29歳 妻25歳の夫婦の場合

  • 夫所有の車(継続予定)、8等級事故有、26歳以上補償本人限定、免許証の色:青
  • 妻所有の車(売却予定)、10等級無事故、21歳以上補償本人限定、免許証の色:ゴールド

このケースでは、妻が車を手放すタイミングで夫の自動車保険を解約、妻の自動車保険を車両入替して夫所有の車に車両入替すると、10等級無事故、ゴールド免許割引が適用され割引率が大きくなります。

妻の自動車保険に夫の車を車両入替するイメージ

※記名被保険者は妻のままであることが条件です。

ただし、2人が運転することを想定すると、年齢条件や運転者の範囲を「夫婦限定」へ変更するなど配慮する必要があります。保険料試算などをふまえ、また、保険会社により対応が異なるため代理店やコールセンターへの問い合わせで総合的に判断するようにしましょう。

ケース2:結婚を機に新しく車を買う、将来的には追加する可能性もある場合 

独身時代は親が所有する車を運転していた方、これまで車の必要性を感じていなかった方でも、結婚を機に、車のある生活を検討するケースもみられます。

はじめて自動車保険を契約する場合、等級は6等級からスタートしますが、保険料を抑えるために割引適用を活用したいものです。記名被保険者は、ゴールド免許など条件のよいほうの名義で設定するようにしましょう。契約者名と記名被保険者名は同一でなくても構いません。

将来的に家族が増え、子どもの送り迎えなどに2台目の車が必要になることも考えられます。1台目の自動車保険の等級が11等級以上であることなど一定要件を満たせば、2台目の自動車保険には「セカンドカー割引」が適用され、7等級からスタートすることが可能です。

新規での契約は6等級からのスタートであるのに対し、セカンドカー割引が適用されれば、7等級からのスタートで割引となるため保険料を抑えることができます。1台目と別の保険会社の契約でも適用可能ですので選択の幅は広いと言えます。

ケース3:どちらかの親と同居という選択肢

結婚後は、日々の生活だけでなく、長期的視野での資金計画も考えたいものです。経済的側面から、可能であるならば親との同居も選択肢かもしれません。

住まいにかかる費用を支払わない代わりに、親が負担してきた車にかかる費用を自分たちで負担するというケースもみられます。等級を引き継ぐことができるのは「同居」が条件です。等級は高いほど割引率が大きいですが、年齢別保険料制度により記名被保険者の年齢も保険料に影響します。もし記名被保険者を親から子へ変更する際は、条件によって保険料が安くなるかどうかをしっかり確認しましょう。

新たに車を購入するケースをみてみましょう。新車は車両保険を付ける場合は保険料が高くなるケースも多く、年齢が若い場合には年齢条件からやはり保険料が高くなる場合もあります。仮に同居している親が契約している自動車保険が18等級であった場合、購入する車に18等級の親の自動車保険を車両入替により引き継ぎます。これにより通常は6等級でのスタートのところが18等級が適用されるため、子の保険料負担は抑えられます。

一方で、親は、新規で自動車保険を契約します。6等級での保険料はこれまでの負担と比較すると高くなりますが、年齢条件やセカンドカー割引などを利用することで、2契約の合計では保険料は抑えられる結果となります。

なお、三世代同居世帯で祖父が免許返納と同時に手放した車の自動車保険の中断証明書があり、孫である夫が等級を引き継ぐことができた事例もあります。長年無事故で運転してきた祖父の等級は最大の20等級であったため、格段に保険料は抑えられました。

まとめ

これまで別々の人生を歩んできた2人が新しい生活を始めるにあたっては、それぞれの価値観の違いもあり、戸惑うことも多いでしょう。とは言え、家族だからこそ、楽しみも感動も共有できるものです。自動車保険についても、「同居家族」を要件とした割引や制度が多く存在します。「等級」による保険料の割引率は家計負担にも大きく影響するため、賢く見直し、新生活を設計して行きましょう。

この記事の執筆協力

執筆者名

大竹麻佐子

執筆者プロフィール

証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て独立。相談・執筆・講師活動を展開。ひとりでも多くの人に、お金と向き合うことで、より豊かに自分らしく生きてほしい。ファイナンシャルプランナー(CFP©)ほか、相続診断士、整理収納アドバイザーとして、知識だけでない、さまざまな観点からのアドバイスとサポートが好評。2児の母。

募集文書管理番号
0108-29A1-B22207-202303

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