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老後に保険は必要?理由とおすすめの保険を専門家が回答

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「老後に保険は必要?」

「老後のための保険、どんなものがあるの?」

思わぬ経済的なリスクへの対策となる保険ですが、特に老後のためのものとなると、どんな保険が必要なのか、わからず迷う人も少なくないでしょう。

この記事では、ファイナンシャルプランナー・藤井亜也さん監修のもと、老後に 保険が必要な理由を解説します。おすすめの保険も紹介するので、ぜひ参考にし てください。

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コラムサマリ

■老後に備えるのに役立つ? 保険に入る目的

■平均寿命と健康寿命で考える老後の必要額

■介護に必要な費用はいくら?

■年金だけでは要介護状態になると困る?

■老後の備えや準備に役立つ。おすすめの保険は?

①医療保険

②がん保険

③個人年金保険

④終身保険

⑤変額保険

■老後のための保険、加入と支払いは早いうちに

本文

老後に備えるのに役立つ? 保険に入る目的

老後に備えるという意味で保険に加入する場合、つぎの3つの目的が考えられ ます。

①医療保険の自己負担分に備える

②介護費用をまかなう

③老後の生活資金を準備する

①と②は、高齢期の病気やケガのリスクに備えるという点で特に重要です。不慮の治療費などを年金や預貯金でカバーするには限界があるので、保険で備えておくと安心です。また、貯蓄や資産運用が苦手な人は老後の生活資金づくりに保険を役立てるのもひとつの手段でしょう。

平均寿命と健康寿命で考える老後の必要額

老後に介護が必要になる期間はどのくらいと見積もればよいでしょうか。平均寿命と健康寿命の違いを見てみましょう。厚生労働省の定義1)によると、健康 寿命とは「健康上の問題で日常生活への影響がなく、健康と自覚している状態」 の期間を指します。

厚生労働省の調査2)によると、日本人の平均寿命と健康寿命は以下のとおりで す。

〈図〉日本人の平均寿命と健康寿命(令和元年)

男性の場合、平均寿命と健康寿命の差は8.73年、女性の場合は12.07年です。 本人が「健康ではない」と認識している状態が老後には10年前後ある、ということであり、この期間には医療費や介護費が必要だと推察できます。つまり、平均寿命と健康寿命の差の部分で保険が活躍します。

参考資料

1)厚生労働省 e-ヘルスネット「健康寿命の定義と算出方法」

2)厚生労働省「健康日本21(第二次)最終評価報告書  第3章(Ⅰ~Ⅱ4)」

介護に必要な費用はいくら?

老後の介護費用は、実際にどのくらいかかるものなのでしょうか。生命保険文化 センターの調査3)によると、介護に要する月々の費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、平均8万3,000円でした。これに加え、住宅改修などの一時的な初期費用の合計は平均74万円とされています。

同調査では、介護期間についての回答は平均61.1カ月(5年1カ月)でした。 「初期費用+月額の費用×介護期間」で試算すると、実際に介護を経験した人の介護費用は、平均して総額581万1,300円となります。

参考資料

3)生命保険文化センター「2021(令和3)年度  生命保険に関する全国実態調査」

年金だけでは要介護状態になると困る?

日本年金機構4)によると、令和4年4月からの年金月額は、老齢基礎年金(満額)で 6万4,816円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年 金額)で21万9,593円です。

前述の調査によると、要介護状態になった場合、1カ月あたりの介護費用は8万3,000円です。この金額は公的介護保険サービスの自己負担費用を含みます。仮に、収入が先ほどの金額の年金だけだった場合、介護費用を考慮した収支はどうなるでしょう。

老齢基礎年金の場合

6万4,816円-8万3,000円=-1万8,184円厚生年金の場合  

21万9,593円-8万3,000円=13万6,593円

老齢基礎年金を受給する単身者の場合には、年金だけでは介護費をまかなえな いどころか、その月の家計収支がマイナスになってしまいます。厚生年金を受給している場合も、介護費用がかかることで生活費は厳しくなりそうです

参考資料

4)日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」

老後の備えや準備に役立つ。おすすめの保険は?

前述の保険に入る目的と併せて考えると、老後の備えや準備に役立つのはつぎの5つの保険です。それぞれについて詳しく説明します。

①医療保険

②がん保険

③個人年金保険

④終身保険

⑤変額保険

保険会社にもよりますが、医療保険や終身保険には、「介護特約」を付加することができ、要介護状態になった場合に一時金などを受け取ることができます。ただし、介護特約の保険料は安くはないので、家計に無理が生じないか、一考したほうがよいかもしれません。また、掛け捨ての介護保険は、要介護状態にならない場合は給付金を受け取ることができないので、もしも個別で加入するのであれば貯蓄性があるもののほうがよいかもしれません。

①医療保険

厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査の概況5)によると、全国の受療率は、入院・外来共に、65歳以上が最も高くなっています。75歳以上になると、 後期高齢者医療制度6)の対象となり、健康保険の自己負担額が1割になります が、一定以上の所得がある場合、自己負担は2~3割です。老後に長期に渡る入院などをして、家計に大きな負担となるリスクを回避するためには、医療保険への加入が有効といえるでしょう。

参考資料

5)厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査の概況」

6)厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」

②がん保険

厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」7)によると、死因順位の第1位は「悪性新生物<腫瘍>」で死亡総数の26.5%を占めます。また、公益財団法人がん研究振興財団の「がんの統計2022」8)によると、高齢者(85歳以上)のがん死亡率は年々増加しています。診断精度の向上も増加の一因と考えられていますが、老後にがんの治療費が必要になるとも解釈ができます。リスクに備えるには、がんの治療費をカバーするがん保険に加入するのが安心でしょう。

参考資料

7)厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」

8)公益財団法人  がん研究振興財団「がんの統計2022」

③個人年金保険

個人年金保険とは、公的年金に上乗せ保障する役割を持つ保険です。一定の年齢まで保険料という形でお金を積み立て、この積立金をもとに年金をもらうというしくみです。大きく分けて「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3種類があ ります。

「確定年金」と「有期年金」は受取期間が10~15年と決まっています。「確定年金」は被保険者の死亡後には家族が年金を受け取ることができる一方、「有期年金」は被保険者が死亡した場合は原則として年金の受け取りが終了します。

「終身年金」は、被保険者が生存している限り、年金を受け取ることができます が、原則として死亡後には受け取ることができません。保証期間が付いている有 期年金や終身年金もありますが、保険料が割高となるため、受け取る年金と支払う保険料とを比較して検討してみてください。

退職後も、住宅ローンや子どもの教育資金の支払いが残っていたり、親の介護費用などが必要となったり、何かと支出の多い期間があるかもしれません。公的年金だけではカバーできない部分を個人年金保険などの私的年金で補えると安心 です。

④終身保険

終身保険は、被保険者が重い障害を負った時や、死亡した時に保険金を受け取れる生命保険の一種です。貯蓄性を兼ね備えているので、途中で解約した場合でも 所定の解約返戻金を受け取ることができます。計画的に解約すれば、返戻金を老 後の生活費や介護費、葬祭費用に充てられるほか、子どもの相続税対策にも活用することができます。こちらも計画的な貯蓄が苦手な人の老後資金づくりに役立つ保険といえます。

⑤変額保険

変額保険とは、株式や債券を中心に資産運用し、その実績によって保険金や解約 返戻金が増減する保険です。大きく分けて、保障が一定期間の「有期型」と保障 が一生涯継続する「終身型」の2タイプあります。商品によっては、死亡・高度障害の保障を一定期間確保することもできます。満期保険金を年金として受け取ることもできるので、老後の資金づくりに役立ちます。

老後のための保険、加入と支払いは早いうちに

保険によっては、年齢や健康状態によって、加入が難しくなるケースもあります。早めに老後に備えたいリスクを見直して、それをカバーできる保険に元気なうちに加入しましょう。また、老後にも保険料の支払いが続くと、老後の備えというよりも家計の負担になってしまいます。できる限り現役のうちに短期払いで保険の支払いを済ませるのがおすすめです。

この記事の執筆協力

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マネコミ編集部

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    そこで、この記事では、家族の介護に向き合う人や老後に不安を抱える人に向けて、介護者専門の事務所を運営する行政書士でファイナンシャルプランナーの河村修一さん監修のもと、介護にかかる費用について説明します。経済的な負担を軽減するために役立つ介護や医療の制度についても解説します。